カテゴリ: 銀歯

オールセラミックス / メタルフリー哲学

昨日の土曜日は海外からの一時帰国に合わせた1 Day treatmentを承りました。うちのセラミストの齋藤が以前勤務していた海外の同じ都市からのご来院でした。偶然にも同じ人物を友人としていたらしく、話が弾んでいるようでした。
1日で完成することと、金額が魅力ということをご理解いただいていて、お口の中のメタルをほとんどオールセラミックスに置換させて頂きました。この次ご帰国される際には、ポーセレンメタルボンド(セラモメタル)もすべて取り除きオールセラミックスになさるということでした。オールセラミックスのブリッジも当日完成するということをお伝えしておきました。再会を一同楽しみにします。
そこで次の写真は何を・・・、

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歯の後ろから光を当てています。

光の透過性が歯によって異なります。

次の写真では、

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光を当てた歯を普通に見て頂きます。

この中の1歯だけ当院のブランパシステムで当日仕上げさせて頂きました。

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お口の中からご覧いただくと、金属のあるセラミックス(ポーセレンメタルボンド・セラモメタルクラウン)と当院のブランパシステムで作製させていただいたオールセラミックスクラウンの違いがお分かりいただけると思います。
最初の後ろから光を当てた写真でも違いは分かりやすいと思いますが、光の透過性が違います。より健康な自然な歯に近いもはオールセラミックスですね。メタルフリーなので金属アレルギーの心配も無用です。

ご自身の健康と笑顔とお時間を大切にお過ごしの方に最適なブランパ銀座メディカルデンタルクリニックでした。

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銀歯白い歯さあどっち?

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あなたのお好みは?

身体に優しいのは?

人から見られたら?

 

白い歯から銀歯にはブランパ1日ではできません

が、

銀歯から白い歯はブランパ1日でできるんです。

 

オールセラミックスインレー ¥32,000-

当院はヨーロッパ1流メーカー(VITA,sirona,ivoclarvivadent)のCADセラミックスのみ使用しています。ずば抜けた品質と早さを売りにしています。

今日はここまで^^

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1日で銀歯のブリッジを白い歯のセラミックスブリッジにできます。1 Day Dental Bridge

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After & Before です。(After 3 hours.)

1歯欠損部への修復治療でブリッジと呼ばれる治療法は昭和の時代からポピュラーなものでした。

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写真のように縦に3歯連続の銀歯がブリッジです。

3歯のうちの中心の歯は歯がなく歯根もありません。抜歯されたか、もともと永久歯が生えなかった所にはこのような治療法もありました。

 

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ただ場所によってはご覧のように口角より以前に見えてしまいます。
少し残念です、お客様もとても気にはしていらっしゃいました。

本症例は20代に抜歯され、当時治療の選択肢も聞かれることなく治療の完成を告げられた時にはこのような3歯連続の銀歯になってしまったとのことでした。

このことが多少歯科でのトラウマになり、下の6歳臼歯を抜歯されたときにはブリッジをせず1歯の部分入れ歯になさっているそうです。

当院ではブリッジも症例により1日治療を行わせて頂いております。

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e.max CADという世界最高峰のセラミックスを使用しますが、このようにして3時間ほどで施術可能です。

銀歯のブリッジを除去し、光学印象というデジタルスキャニングを口腔内で行わせていただき、CAD/CAM 操作を専任の歯科技工士(デジタルセラミスト)が行い、最終的には電磁ファーネスで焼き上げます。

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「人生観が変わるほど嬉しい。」、とお喜び頂いております。

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むし歯治療・セラミックス修復治療・1日の歯科治療(1 day caries treatment)

本日はブランパ銀座の1日で完了する虫歯治療についてです。

 

1、レントゲン診断(X-ray Diagnosis)

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歯髄(歯の神経とよくいわれる)が生きていて、修復物に2次齲蝕。
歯科麻酔下で無痛治療。

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2、銀歯の除去(歯科麻酔の上)

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齲蝕(むし歯)の確認

 

3、感染歯質の除去(むし歯治療)

 

4、光学印象⇒CAD⇒CAM⇒セラミスト(歯科技工士)仕上げ

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5、口腔内に装着

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お越しになってからおよそ1時間で虫歯治療の完成です。

 

レントゲンから歯科麻酔、虫歯治療、最終CADオールセラミックス装着まですべての費用
⇒⇒⇒  ¥32,000-(インレー・本症例)

 

 

 

 

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パニック障害と歯科治療

私たちは1日でも歯科治療を完了できるシステムとスタッフとフィロソフィーをもって、ここ銀座に開院致しました。虫歯や歯並び・噛み合わせについて、歯科への受診はしなければいけないけれど通えない、歯科が怖いといった方へ向けて少しでもご安心いただけるようにと特化した体制の歯科医院です。

ブランパシステムは、デジタル技術の粋を結集した1日で仕上げることもできる歯科治療です。

むし歯治療・審美歯科治療・インプラントが1日で仕上げられます。

歯周病は口腔内だけではなく、生活習慣や食育も含まれますので1日では無理です。

デジタル技術の一つに光学印象という技術があります。従来の歯医者さんでの型採りが必要なくなりました。口腔内はデジタルスキャンといってカメラで撮影することで、従来のドロッとした印象剤での型採りより数段に精密で普遍ななデータを採取いたします。

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以上が簡略ではありますが、3DデジタルCAD/CAM+専門スタッフ+デンタルラボを一体化させた当医院の特徴です。

 

さて、本題です。

パニック障害の方の歯科治療へのハードルの高さはというと、・・・

・まず交通手段、どうやって歯医者さんまでたどり着こう?
・・・西銀座パーキング直上、徒歩10秒。銀座7丁目外堀通り沿い、タクシー直付け可能。銀座・新橋・有楽町から徒歩圏内。因みに銀座駅、新橋駅徒歩4分。

・予約通りに通うのが辛い、大丈夫かな?
・・・ブランパシステムは通院不要。当日にしかも最高品質な修復が可能です。次回のアポイントの必要なし。もちろん当日予約も承ります、ご体調やご気分の良い日にお電話ください(Web予約は前日の12時までです)。

・長い時間お口を開けていられるかな?
・・・完全な予約制ですので、常にスタッフはあなたのそばから離れません。辛い時や辛いことはすぐにお伝え頂けます。もちろん休みながらご自分のペースで治療をお受けいただけます。
また、完全個室もございます。周りの患者さま方を気にせずお話しください。

・あの型採りが不安です、嘔吐しないか心配です。大丈夫かな?
・・・型採りは致しません。既存の歯医者さんのイメージを捨ててください。デジタル技術が今までの常識を逸脱しました。

・新しい技術で治療費用が心配、いくらかかるの?
・・・確かに1日治療では健康保険との併用はできません。これは現在混合診療が法律で認められていないからです。
でも少しご安心ください。例えばむし歯を治療するためのレントゲン診断や、歯科麻酔、虫歯治療は全て費用に含まれています。オールセラミックスインレーで¥32,000(オールセラミックスクラウンは¥50,000~)です。保険もやって自費診療もやってという既存の歯医者さんよりはるかにリーズナブルです。時間をお金に例えたら、・・・一体いくらリーズナブルなことか^^。予防を保険の範囲でやってますという歯医者さんは違法です。きっとレセプトには歯周病とあなたの病気が記されていま、予防ではなく治療をされているのですよ。私たちはこの高度で革新的な技術を是非多くの方々にご紹介申し上げたいという意志も強くございます。ゆえに現在の診療費用で行わせていただいております。是非この機会にご経験頂きたい歯科治療です。

・・・と、ずいぶん力の入った歯医者だなぁ、大丈夫かな~?
大丈夫です。なにしろこんな私が診療させていただいております。仕事も楽しくがモットーです。どうぞご一緒致しましょう。

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歯科医師 山内浩司でした。お読みいただきありがとうございました。

 

 

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金属アレルギーと口腔の3大因子

金属アレルギーとはある種の金属が原因で起こるアレルギーのことです。

アレルギーとは免疫の異常反応のことで、体内に侵入した異物を排除するための身体の機構を免疫抗体反応と呼びますが、本来の免疫機能が過剰にはたらき過ぎ、人体に悪い影響を及ぼしてしまう状態がアレルギーです。

金属との接触部に起こる接触皮膚炎(部位によっては粘膜炎)が代表的です。歯の治療に使う詰めものの金属が原因となって起こるケースや、直接金属と接触していなくても、症状が相当酷くなったケースでは、まれに食物に含まれる金属に対してもアレルギー反応を起こす場合もあるようです。

また金属イオンが血流によって全身に運ばれると全身性皮膚炎を起こすという報告もあります。

 

 

【口腔における金属アレルギーのメカニズム】

 

金歯・銀歯・アマルガムなどの「金属」が汗や唾液などの体液に溶け出し(イオン化)、体内に入りタンパク質と結合し、身体がこの結合物質をいったん「異物=外敵」と認識すると、免疫を作り身体を守ろうとします。この免疫が過剰に間違って働き、皮膚の炎症など人体に悪い影響を及ぼしてしまった場合、金属アレルギーを起こしたといいます。

 

 

【口腔におけるアレルギーを起こしやすい3大金属 】

 

口腔におけるアレルギーを起こしやすい3大金属、と銘打ちましたが、実際は口腔だけでなく、全身的にほとんどの金属アレルギーの原因は現在以下の3つとされています。

 

ニッケル・コバルト・クロムです。

 

実はこれらの金属は、私たちのお口の中でもたくさんの物に使われています。

もちろんみなさまもご存じの1円玉はニッケルですし、ヘアピンやピアス、ネックレスなどの装飾品にもニッケル・コバルト・クロムを含むものは多くあります。

一般的な金属アレルギーの症状や、アレルギー検査(パッチテスト)などに関しましては。またの機会と致します。

では、ここから先は大まかな金属アレルギーのことではなく、お口の中にある金属アレルギーの原因になり得るものについて3大要因としてお伝えしていきたいと思います。

 

 

≪金属アレルギーと口腔の3大因子≫

 

①銀歯

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銀歯は私たち日本人のお口に最も多く使われてきた虫歯などの修復材料ではないでしょうか。あなた、またはご家族、お友達の中にも笑った時などに銀歯が目立つ方がいらっしゃるかもしれませんね。

この銀歯、多くの場合は合金です。主な成分として銀の含有量が多いものがほとんどですが、その中には上記の3大要因であるニッケル・コバルト・クロムが含まれているものもあります。これらも銀歯は本来歯とくっついていることが多く、歯科治療により外してもらわないと撤去できないものです。

 ②入れ歯(義歯)

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入れ歯には人工の歯の部分、人工の歯茎の部分、フレームと呼ばれる全体を繋げる入れ歯の構成主要素、クラスプと呼ばれる残存歯に引っ掛けるようにして使用する爪の部分(部分入れ歯の場合等)という構成要素があります。

人工の歯と歯茎は主にレジンやセラミックスという金属ではない材料で作られています。フレームもピンク色のレジンという樹脂が多く使われていますが、さらに強度と薄さ(装着感が良好になる目的で)のために金属を使うこともよくあります。クラスプにも合金が使われます。

特に入れ歯には以前からコバルト・クロム合金フレームが常識的に使用されていた時期が長くあり注意が必要です。

 ③ポーセレンメタルボンド(焼き付け陶材冠)&レジン前装冠

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ポーセレンメタルボンドとは実は見える部分にセラミックスを焼き付けた、とても審美性を重視した歯への被せ物です。なので、通常は白い歯であり、金属とは無縁のように思われている方もおいでかも知れません。

しかし、これも歯と接する部分に金属がつかわれており、その部分をフレームと呼んでいます。セラミックスとの良好な接着(焼き付け)の際に、金属表面に酸化膜が必要なため、主に合金化使われています。この中にもニッケル・コバルト・クロムが含まれている場合があります。あなたに白い歯も、全部がセラミックスのオールセラミックスなのか、一部金属を使用しているポーセレンメタルメタルボンドなのかは主治医に確認いただいておいた方が良いかもしれません。

レジン前装冠も、上記のセラミックスの部分にレジンという歯の色に近い樹脂を用いたものです。
④その他

また、お口の中には、ジルコニアとよばれる白い歯科材料や、アマルガムと呼ばれる黒い歯科材料もあります。
ジルコニアは別名ホワイトメタルとも呼ばれており、金属のような元素組成をしています。まだこれからの歯科では新材料ですので、さらに安全性を確認していきながら私たちの口腔材料へと昇華していくことでしょう。

アマルガムに関しましては、金属アレルギー以上に水銀毒の問題で多く取り扱われている事象がございます。今回の内容にはあえてアマルガム毒に関しては明記しませんでした。しかし、大変重要なことですので、また別章にてお話しさせていただきましょう。

インプラントも最近では日常的に口腔内で使用されている口腔材料です。素材はチタンやその合金です。チタンや金(ゴールド)などはとても私たちの生体と親和性が良いとされてきましたがやはりアレルギー報告は出ていますので、詳細は皮膚科との連携が必要です。ご自身でも何か自覚症状があるようならばお気を付け頂き、適切なご対応をなさっていただきたいと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。ご質問などはどうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

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セラミックス(最新CADセラミックスまでの道のり)白い歯の歴史

今回のお話しは、セラミックスといっても包丁やハサミではありません。歯の虫歯などの治療後の修復物としてのセラミックスです。

 

【オールセラミックス以前の歯への詰め物・被せ物】

少し昔は歯に詰めるものとして、アマルガムという銀合金や、金パラと呼ばれる銀歯、または金箔等でした。

その後、歯に色の近い樹脂であるレジンや、ポーセレンメタルボンドという金属の上にセラミックスを焼き付けたものが開発されました。

 

そして現在は、オールセラミックス(ジルコニアも一部も含む)に代わってきました。

 

メタルはご存じのように、歯茎の黒ずみや金属アレルギーなどの不定愁訴の発現で、必ずしも口腔内にて好ましくないことがわかってきました。もちろん審美的にもお好きではない方の方が多いようです。

さらに、アマルガムによる水銀中毒の怖さも周知されてきています。

ポーセレンメタルボンドも金属を使用する修復物であり、金属の負の特性を併せ持ちます。もちろんセラミックス表面の見た目においては大いに審美的で、私たちの日常には欠かせない歯科補綴修復物として今日まで来ました。とても恩恵を受け続けている芸能人の方なども多くいらっしゃいますね。ただし少し歯茎が黒い方はそろそろ交換の時期かもしれません。

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ポーセレンメタルボンド。金属の上にセラミックスを焼き付けているため、金属による 黒い線が歯茎に出てしまいます。

 

そして、今日お話しさせていただくセラミックスは、そのセラミックスという名前の前にCADが付くものです。

 

 

では、歯に使われる一般的なセラミックスのお話しから始めましょう。

歯に使うセラミックスは、みなさまご存じ食器で有名なNoritake(ノリタケ社)などのものや、歯科器材メーカーのものを使います。

従来はセラミックスパウダーと水を小筆などで築盛し、コンデンスという水分を抜く作業ののち形態を整え、ファーネス(炉)で焼成してきました。この製法では、粉液比が均質に行うことが難しく、気泡が迷入したり、作業環境内のチリなどが混入してしまい、劣化を早めたり、気泡などの混入により、欠けやすくなり、実際にお口の中で壊れる原因などになっていました。

また、以前のセラミックスの焼成温度は900~1000℃とたいへん高温で、本当の私たちの歯質よりはるかに硬い物でした。これは、対合歯が天然の歯である時に、その歯を過度に削ってしまうという問題点も有していました。

そこでそののちに低溶陶材という焼成温度が700~860℃のセラミックスが開発されました。焼く温度を低くすることで硬さを少し低下させ、歯に優しい方向へ振ったものとなりました。しかし、これはもろ刃の刃と同じで、もろく欠けやすいという問題点が付いて回り続けました。

これらのセラミックスは歯の支台に合わせた金属のフレーム上に焼き付けて貼り付けました。ポーセレンメタルボンド、焼き付け陶材冠などと呼ばれました。

 

【オールセラミックス以後の歯への詰め物・被せ物】

そしていよいよプレス(キャスタブル)セラミックスと呼ばれる鋳込み型セラミックスが開発されました。現在はこの中のもので進化したe.max press(ivoclar社)が皆様に使われているセラミックスの主力です。Opc system(pentron社)、In-ceram(vita社)や、ips empress(ivoclar社)という製品を 凌駕しての現在があるようです。このセラミックスのいいところは、ロストワックス法が使えるので製作上形態が容易につけやすく、比較的気泡が入りにくいというものです。塵や埃はは実際には混入してしまうようです。

ここの材料からオールセラミックスというメタル(金属)を使用しないクラウンが可能になりました。これはおおきな利点であり進歩でした。

金属を使わないということは、今まであった金属による弊害を払拭できることと、金属にかかる費用を軽減できることです。さらに、審美性において透明感という絶対的なアドバンテージを得られるものでした。

ここに至っての今日の私はノンメタルでの修復・補綴がベストとしか考えられません。なぜかというまでもありません、いいことづくめですね。金属を含むのもとの比較は歴然です。

 

ただし、インプラント補綴などの大きなアーチ型の被せ物となると、オールセラミックスでは困難です。強度の面で、大きくなるほど破折しやすいからです。そこで現在はジルコニアという白い素材をフレームにします。ジルコニアはセラミックスと一緒くたにする向きと、ホワイトメタルとして金属寄りだと考える向きがあるようです。接着方法や、歯質より硬すぎるということで、まだ発展途上ではありますが、白色であり強度があるという意味では今後さらに多用されていくことでしょう。硬さも少し緩和してきています。

 

ここまでがおおよその今までのセラミックスや銀歯などの歯科における修復物の進化です。さて、ここからが本日の本題、CADセラミックスです。CADセラミックスも、上記のジルコニアではなく純粋なセラミックスです。そうそう、ハイブリッドセラミックスという製品が数種類ありますが、これらは実際にはセラミックスには分類いたしません、レジンだからです。レジンにセラミックスの粉砕粉が含有していますが、実際の特性はレジンです。

 

CADセラミックスとは?

CADとは、Computer Aided Designのことです。設計にコンピュータを用います。最新の歯科の型採りでは光学カメラを使い、歯のデータを従来の石膏模型ではなく、デジタルデータとして保存します。このデータをディスプレイ上のメディアを使っていわゆるバーチャルにて設計を行います。このために開発されたセラミックスがCADセラミックスです。

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セレックシステムのCAD

精密な3Dデジタルミリングマシーンがこのセラミックスブロックを削りだす作業をCAMといいます。CAMとはComputer Aided Manufacturingのことです。つまり、CAD したものをCAMすることが一体化して新しい歯科修復システムは動き始めました。因みに型採りも光学印象といって、カメラでお口の中を撮影するだけなので、嘔吐反射やお口の周りが汚れてしまう従来の歯科の型採りとは大きく違います。

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CAD/CAMにより製作されたオールセラミックス(e.max CAD)ラミネートべニア

 

 

この目的のために、CADセラミックスは工場の中で既定のブロック型に作成されます。

ここが従来の歯科技工と大きく異なります。従来は患者さまから採取した型から起こした石膏模型上で築盛、またはロストワックスしたファーネス内でセラミックスを焼成していました。つまり、技工所や院内技工所でセラミックスを1から作っていたわけです。もちろんチリなどが混入しないようにとても清潔な環境の技工所もたくさんあります。が製作の特性上気泡や塵の混入があり、セラミックスの均質性を維持実現することがとても難しい物でした。

一方CADセラミックスはヨーロッパの一流メーカーの工場で時間をかけて生産されるため、セラミックスの組成が非常に密で均質に仕上がっています。これが大きな特徴であり大きな進歩です。ついに常に状態のベストのマテリアルをデジタルデータという誤差の生じない設計より製品化することが一歯科医院単位で可能になりました。製作工程と材料の安定性により、今まで不可能とされてきたオールセラミックス(ジルコニアではなくの意味です)による3ユニットのブリッジもとても美しく充分な強度を持って口腔内へ装着することができるようになりました。

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様々なセラミックスブロック(銀座メディカルデンタルクリニック)

現在は、160MPa強度のips empress CAD, CELEC Blocs.  400MPaのe.max CADを用途によって使い分けて使用されています。

例えば、160MPa ならばインレー、アンレー、クラウン等。400MPaならばクラウン、ブリッジ、審美ゾーン等というようにです。

更に現在は、インプラントの上部構造専用のCADセラミックスブロックも普及してきました。益々安全で予後の期待がさらに高まったオールセラミックスによる歯がより日常的に普及していくことでしょう。

 

 

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銀歯と口臭の3つの関係性

みなさまのお口の中にも銀歯はございませんか?

 

お口の中の銀歯は、昭和36年に施行された国民皆保険制度で認められた虫歯や欠損歯への修復物材料として広く日本では施術されてきました。虫歯を作ってしまったご経験のある方ならばお世話になっている方も多くおいでになるはずですね。

 

さて今回は、この銀歯とお口からの嫌な臭いの口臭との関係について考えてみましょう。

 

そもそもこの銀歯は何でできているのかご存知ですか?

 

この銀歯の材料は銀合金です。おおよそ銀が56%、金が12%、パラジウムが20%、その他銅や亜鉛や錫といった異種金属による合金です。

金やパラジウムといった貴金属も含まれていること、ご存知でしたか?

銀だけではすぐに酸化して黒ずんでしまいますね。それをこれらの貴金属が安定にしてくれているのです。もちろん金でも金属アレルギーを発症される方がいることがわかっている現在では、金属アレルギーの方にはとてもリスキーな材料でもあります。

但し今回は、金属アレルギーの問題点ではなくて、口臭に対する問題点を列記してみたいと考えています。

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そもそも口臭の実態はなんでしょう?

 

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口臭の元は硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドと呼ばれる揮発性硫黄化合物という物質が原因で口臭が生じます。これらはみがき残してしまった食べかすや歯や舌への付着物に、唾液などの体液中のたんぱく質と反応して生まれます。

また、虫歯や歯周病といった疾患の原因菌である細菌から来る腐敗臭などです。

 

 

 

銀歯と口臭の関係性 (1)【歯科用セメントの溶出】

 

銀歯は虫歯などの感染歯質を削除した後の修復や、欠損部を補うためのブリッジのために使用されます。その銀歯は、残った歯の質、残存歯質とくっ付けて使用できるようになります。そこで、歯と金属を接着したいのですが、現在この2つの物質間を充分に接着できる材料がなく、歯科用のセメントで、銀歯と歯の間の隙間を埋めてくっ付けています。

みなさまもお耳に入れたこともあるかと存じますが、宇部や徳山といった、いわゆる建築や土木に使われるセメントメーカーがセメントを歯科用にして使われています。

液体と粉末を混ぜ合わせたセメントは、やがてお口の中の唾液や水分によって溶けてしまいます。溶けてしまった隙間には、唾液や食べかす、様々な細菌の温床となり、口臭の発生を促す口臭発生器になってしまいます。

現在はセラミックスを歯質と接着できる表面処理が施せるようになり、銀歯をオールセラミックスに置換していくことにより解決することができます。レジンという歯科材料は水分を吸収してしまう性質のため、やはり口臭の温床になり得る可能性があるため、今回の口臭の解決策にはあえて加えませんでした。

 

 

銀歯と口臭の関係性 (2)【二次齲蝕】

 

前項で、銀歯と歯質の間に隙間ができるとお伝えいたしましたが、その隙間に汚れがたまり、それを栄養として細菌が繁殖し、それ自体から口臭がすることも事実です。

そこにはもう一つ大きな問題がこの銀歯の問題点に潜んでいます。それは二次齲蝕と呼ばれる虫歯の話しです。銀歯はそもそも虫歯を削った後に詰められています。その削った歯の質と銀歯の間のセメントが溶けてしまい隙間ができるわけです。そこへ侵入する食べかすなどの汚れはばい菌のかっこうの餌場です。この歯ブラシや唾液の自浄作用が充分に届かない閉鎖的な環境の中で細菌は大いに活動するわけです。そして彼らはとても強い酸を産出します。私たちの歯質はpH5以下になってくると、歯の象牙質自体が溶け出します。これが新たな虫歯です。すでに一度は削られた歯質に再び虫歯ができることを二次カリエスといいます。虫歯と細菌と食べかすなどの汚れが合いまみえるこの環境、当然臭いが発生します。

またこの口臭はたちが悪いといえます。なにしろ等角するその銀歯を外さないと消せないのですから。歯医者さんの協力が必要ですね。

 

 

銀歯と口臭の関係性(3)【プラークの吸着】

 

銀歯は合金です。これは前述致しました。合金には蓄電作用があり、イオン化傾向により様々な分子を寄せ付ける性質があります。特にマイナスのイオンが帯電するのです。ゆえに銀歯の周囲には様々なものが付着し易いのです。プラークと呼ばれる歯垢が、セラミックスによる修復物の約10倍も吸着しているというデータがあるほどです。

歯の表面の汚れもまた口臭の原因になります。また歯茎に近いこの部分の汚れは歯周病の原因にもなり得ますね。歯周病による口臭の一つの原因になるのです。また、たんぱく質と結合することにより粘りの強いプラークは、口腔内環境に広がり、舌上でさらに増殖すると、強い口臭も起こります。

 

いかがでしたか、銀歯は便利な歯の修復物として国のお墨付きを約50年以上も維持してきました。しかし、昨今の様々な材料や術式の進歩によって欠点も指摘されてきました。その一つが口臭です、というお話しでした。最後までお読みいただきありがとうございました。(ブランパ 歯科医師 山内浩司)

 

 

 

 

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