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口臭の原因と対策

口臭の原因、それを正しく理解して予防している人はどれほどいるのでしょうか。今回は、我々歯科医が普段患者さんにお話ししている内容をご紹介いたします。口臭の原因を正しく理解し、しっかりとした予防で、健康で素敵な笑顔を手に入れましょう。

まず、口臭のほとんどが口の中の気体が原因であることが明らかにされています。口の中で生息している嫌気性細菌が、唾液、血液、古くなった細胞或いは食べカスに含まれるタンパク質などを分解して、臭いの元である硫化水素、メチルメルカプタン及びジメチルサルファイドと呼ばれる揮発性硫黄化合物を産生することにより、口臭が生じてしまいます。口臭は、揮発性硫黄化合物を増やす原因により生理的なものによる口臭と病気などの原因により発せられる口臭との二通りに分かれます。

普段は唾液の抗菌作用によって、口臭もおさえられていますが、実は誰にでも口の臭いはあります。そして起床時、空腹時や緊張時には唾液の分泌量が減るため、細菌が増殖しいつもより口臭が強く感じらます。

では、どうすれば口臭は減少していくのか。ここからはすぐにでもできる口臭予防法を説明しますので、ぜひお試しください。

生理的な原因による口臭予防。

口臭の原因には唾液の分泌量が関わってきます。唾液の分泌量が少ないと、細菌が増殖して口の中が不潔になり、口臭が発生します。すなわち口臭の予防・対策に唾液分泌はきわめて重要なのです。
唾液を多く出すためには、リラックスした環境づくりが大事です。自律神経の働きにより、緊張すると唾液分泌が減り、リラックス状態のときは唾液が出やすくなります。緊張して口が渇く時は、誰でも経験のあることでしょう。気付いた時は肩の力を抜いて、深呼吸してみましょう。またお水を少し飲んで、お口の渇きを潤すことも大事なことです。その他にも、よく噛んでお食事をしたり、お口の中を刺激してみることによって唾液の分泌量は増えていきます。
そして、生理的な口臭の予防のためには、歯磨きやデンタルフロスに加えて舌みがきによる舌苔(ぜったい)除去を行い、舌を清潔に保ちましょう。舌清掃は、専用の舌ブラシを必ず使ってください。歯ブラシで舌をみがくと、舌の表面にたくさんある舌乳頭という突起がちぎれ、微量ですが出血することがあります。口臭の原因菌は、血液中のタンパク質が大好物ですから、微量な出血でも口臭の原因になる可能性があります。せっかくお掃除しても、逆効果になってしまいます。

病気などの原因による口臭予防。

主な原因疾患としては、歯周病と大きな虫歯が挙げられます。
歯周病の原因菌の多くが、歯周ポケットに潜んで、唾液、血液あるいは食べカスに含まれるタンパク質などを分解して口臭を発生します。歯周病はほとんど痛みもなく進行していきます。したがって、少しでも臭いがすると思ったら一度歯科医院を受診して歯周病の検査を受け、治療を受けることをお勧めします。

続けて、虫歯になった場合、虫歯が進行して歯にポッカリ開いてしまった大穴に食べカスは詰まりやすくなり、このような部分は歯磨きをしてもなかなかうまく磨くことができないため、口腔内の細菌が発酵して口臭を放ちます。そういった時は、歯医者さんで検診を受け、適切な治療を開始してください。
その他にも、銀歯にする時に虫歯の部分を取りきれていないと、銀歯の中がまた虫歯になってしまいます。でも、それだけが原因ではなく、虫歯菌にとっては、歯と銀歯(かぶせもの)の境目も大きな溝のようなものです。きちんとはまり込んでいるようでも、境目はあります。そこから虫歯菌が入り込んでも、中の歯を虫歯にしてしまいます。銀歯の中が虫歯になれば、歯磨きなどでは掃除できないので、強い口臭が出てしまいます。そういった際も、歯医者さんでしっかり虫歯を除去することが大事です。

口臭は気になるけれども自分ではなかなか気づきにくいものです。原因の大半はお口の問題が影響しています。今歯科医院では、色々な口臭予防グッズや口臭の原因菌を特定するだけの唾液検査を行っている所もあり、歯医者も口臭に関してはたいへん重要視しています。気になったら、自己判断せず、かかりつけの歯医者さんにまずは診査・診断してもらいましょう。

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